2色のガーベラ 夫婦別姓資料館

2002年2月19日 衆議院予算委員会にて


○青山(二)委員 公明党の青山二三でございます。
 大変皆様にはお疲れのところ御苦労さまでございます。予算委員会で発言の機会をいただきましたことに心から感謝を申し上げまして、質問をさせていただきたいと思います。
 二十一世紀は女性の世紀、または女性の時代と言われておりますけれども、小泉政権におきまして、五人の女性の閣僚が誕生いたしました。残念ながら一人は欠けてしまいましたけれども、それでも四人の女性の閣僚は過去最高でございまして、全国の多くの女性の方々が温かいエールを送っているわけでございます。そこで私は、きょうは二人の女性の大臣を中心に質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 私は、昨年の十月でございますが、法務委員会におきまして、選択的夫婦別姓制度について森山大臣に質問をさせていただきました。森山大臣は、制度の導入に大変意欲的でございまして、この通常国会での成立をともどもに目指そうとの見解が一致したところでございます。
 さて、通常国会も始まったわけでございまして、私といたしましては、この通常国会に早急に選択的夫婦別姓制度の導入を盛り込みました民法改正案を提出していただきまして、成立に全力を挙げていただきたいと考えております。さきの臨時国会では、自民党内の反対派の抵抗もありまして提出が見送られたという経緯も漏れ聞こえておりますけれども、大臣、今、自民党内での議論はどのように進んでいるのでしょうか、お伺いいたします。

○森山国務大臣 先生には、いつも御熱心にこの問題についていろいろと御支持、御指摘をいただきまして、まことにありがとうございます。
 この問題につきましては、お話しのように、昨年、特に年末ごろから、自民党の担当である法務部会におきまして議論が大分進んでいるようでございます。大変活発な議論が展開されているというふうに聞いております。
 その御議論は、いろいろ、私直接拝聴しているわけではございませんが、お話によりますと、大変強く賛成なさる方もたくさんおられますし、また反対の方もいらっしゃるということで、その間をとっていろいろな折衷案も出てきているということでございまして、従来はなかなか話題にすることも難しい状況であったのでございますけれども、非常にオープンの場で、それぞれ自由に議論をしていただくという状況になっているということは、一歩前進だと思っております。

○青山(二)委員 自民党の中の御意見としまして反対論が根強いと言われているとはいいますけれども、やはり一人一人と話してみると、どちらでもいいとか、あるいは何となく反対だという人が多いということも聞いております。
 この選択的夫婦別姓制度の導入は、今国会を逃してしまいますとお蔵入りのおそれがあるとも言われております。別姓を望むカップルの中には、結婚を間近に控え、成立を待ち望んでいる人たち、また制度の実現を待って、心ならずも事実婚をなさっている方もおります。このようなカップルは何が悩みかといいますと、赤ちゃんが生まれてくるときに、手続や届け出などについてどうしようかということで悩んでいるわけでございまして、一刻も早い別姓制度の導入を待ち望んでいるわけでございます。ですから、自民党内の意見をまとめていただきまして、今国会で必ずやこの民法改正案を提出いたしまして、成立させるべきであると私は思っております。
 ところで、ことしに入りましてから法務省はこの選択制の導入方針を転換いたしまして、原則は同姓とするが希望者には例外的に別姓を認める例外制に方針を転換したという新聞報道もございました。初めに、この例外制と選択制の違いを御説明していただきました上で、この例外的夫婦別姓容認制が出てきた背景についてお伺いをしたいと思います。

○森山国務大臣 先ほども申しましたように、自民党の部会の中でいろいろな、賛否両論がございまして、その皆さんの中から、例外という考え方はできないかというお声もあったようでございます。それが一つのヒントになりまして、そういう運び方もあるなということでまた勉強いたしまして、そのような内容の案を今法務省でも勉強しているところでございますが、別にそれで決まったわけではないんですけれども、いろいろな、さまざまな形があり得るなという、勉強の一つでございます。
 この例外的というのは、数全体とすれば恐らく従来のようなやり方で同姓を選ぶ方が多いであろう、しかし、どうしてもそのような同姓でいくのには自分の仕事上あるいは生活上非常に困るという方も数は少なくてもあるに違いないので、そういう方々からの強い御要望もあるので、そういうケースを認めようではないかという、まあ現実にそんなに大きな、転換したとおっしゃるほどの大きな違いではないのかもしれませんが、考え方を少し角度を変えようということでそんなふうになったわけでございます。
 一番はっきりとした違いと申せば、今例外的と申しますその案は、原則が同姓でありますので、多くの方は同姓である、しかし例外的に選びたい方は別姓を選ぶこともできるということにしておきまして、しかし、原則でありますから、しばらくたってやはり同姓でありたいと思ったときには同姓に戻ることもできるというような、ちょっとニュアンスが違うということでございます。そんなふうな違いがあろうかと思いますが、それらも含めて、今活発に議論をしていただいているという状況でございます。

○青山(二)委員 今御説明いただきましたように、この例外制は、同姓を原則としたという点では反対派に対しまして一定の配慮を示したものになっておりまして、意見をまとめようとするその法務省の努力はわかるわけでございますが、例外制について、選択的に比べますと、やはり一歩後退したような気がするわけでございます。
 しかしながら、この例外制にしましても、希望者が別姓を選択できる基本部分は変わらないわけでございますので、この法案で反対の方々の意見がまとまるのであれば早急に意見の集約をしてまとめていただきたい、こういう意見、あるいは、例外でもいいから選択肢を広げてほしいという声もあるのが事実でございます。
 そこで、森山大臣としましては、例外制でもいいのか、選択的でもいいのか、その率直な御意見をお聞かせいただきたいと思います。

○森山国務大臣 法律というのは、国民の生活に非常に深いかかわりがありますから、国民の生活の実態にできるだけ即したものであるということがまず必要なものでございます。
 しかし一方、法律というのは、一遍できますと、生活の方はどんどん変化してまいりましても、それに毎日追いついていくというわけにはまいりませんので、しばらく時間がたちますとそこに食い違いが出てくるというのが、すべての法律について宿命でございます。ですから、非常に動きの速いビジネスの世界などでは、商法の改正などはたびたび行っておりまして、最近でも、一国会で二回も改正するということもあったりしたわけでございますが、民法についても同様の動きが、生活の方で変化が、大きく変わってまいりましたし、また一方において、これは昔からの考え方なんだからこのまま守るべきだという方がもちろんいらっしゃることも当然でございます。
 そこで、私の個人的な考え方ではございますけれども、法治国家の法務省としては、やはり法律というものができるだけ国民の生活を守り、また国民がそれを守るという形が望ましいというふうに思いますので、そのような意味で、現在の法律がもし今の国民の生活に合わない部分があるならば、少し幅を広げて、それも包含できるようなものにしていくということが重要ではないか。
 そのような意味で、この選択的夫婦別姓、夫婦別姓を選択する可能性のあるという幅の広いものに何らかの形でしていく必要があるんではないか。まあ女性の立場、女性の考え方が主でございますが、男性にも大いに関係のあることでありまして、国民全体にとって非常に重要な基礎でございますので、慎重に、また多くの方の、できるだけたくさんの方の御賛成を得られるような姿で新しい民法をつくっていきたいものだというふうに思っております。

○青山(二)委員 森山大臣の御意見、よくわかりました。
 さきごろ、自民党の反対派議員が、対案といたしまして、婚姻前の氏の通称使用に関する法案というのをまとめたということを私は新聞報道で知りました。新聞によりますと、戸籍上は夫婦同姓ですけれども、旧姓使用を希望すれば、公的書類に戸籍姓と旧姓を併記することを義務づける内容になっているということでございます。
 これは、結婚による姓の変更で仕事上の不便を感じる女性に配慮したものであるということでございますけれども、よくよく考えてみますと、戸籍姓と旧姓を併記するのであれば根本的な問題の解決にはならないわけでございます。もし、この二つの名前を公式に認めるとすれば、契約とかあるいは口座の開設などのときに不正の温床となるようなことも考えられまして、かえって複雑になって混乱するのではないかと思っております。
 この自民党の法務部会に出されたという通称使用法については、森山大臣、どのようにお考えでしょうか。

○森山国務大臣 今先生がおっしゃいましたような案が検討されている、その案も検討されているということも私聞き及んでおりますが、議員の先生方が考えていらっしゃる法案でございますし、まだ途中経過のようでありますので、コメントすることは難しいのでございますけれども、今、青山先生が御指摘になったような問題が確かにあるかと思いますので、例えば、一人の人間が二つの公式な名前を持つということはやはり混乱のもとになる可能性があるというふうに考えますので、好ましくないのではないかなというふうに思います。
 そして、選択的夫婦別姓を望む方のうちのある人々は、家名を続けてほしいというお気持ちの方もかなりいらっしゃいますので、そういう方々のお立場からいえば、通称というのは、その人一代限りということになりますので、その目的も果たすことはできないのではないかなというふうにも思いまして、いろいろ問題、クリアしなければならないことがたくさんあるような気がいたします。

○青山(二)委員 いろいろな案が出てまいりまして、法務大臣も大変心を悩ませる近ごろではないかと思っております。
 私ども公明党は、かねてから選択的夫婦別姓制度の法制化を打ち出しまして、実現を求めてきたわけでございまして、昨年の六月二十日に、この選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正案を衆議院に提出いたしております。
 その改正案では、第七百五十条を、夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫もしくは妻の氏を称し、または各自の婚姻前の氏を称する、このように改めて、夫婦別姓が選択できるようにしているわけでございます。
 この法案を提出いたしましてから今日まで、我が党のホームページで選択的夫婦別姓についてアンケートを実はとっているわけでございまして、二月の十八日現在では、総投票数千百四十二名中、何と千四十七名、九二%の方が賛成に投票してくださっております。反対は七%という少数でございますけれども、その主な反対意見を見てみますと、子供の成長にとって親子の連帯感というものは非常に大切である、また、夫婦同姓、親子同姓はやはり必要だ、そして、子供のために別姓はよくないのではないかという心配が多いようでございます。
 しかしながら、親子の連帯感を補強する必要があるのは、あくまでも子供の成長期のときでございます。未成年期のニーズでございまして、立派な大人になってしまえばそれぞれ自分の個性もあるわけでございまして、人格が尊重される社会をつくっていくことができるわけでございます。
 やはり私は、ここでもう一度この選択制という、多様な生き方を認める、あくまで選択の幅を広げるという制度の趣旨、また、同じ姓を名乗りたい夫婦には同じ姓を、別にした方がいいと考えている方はそのように別々にというのが選択的というわけでございますので、こういうことを国民の多くの皆様、また反対があるという自民党の皆様にもよくよくお話をいただきまして、御理解いただく必要があるのではないか、このように思いますけれども、大臣、いかがでございましょうか。

○森山国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、これは、本当にどうしても必要な方が選択できる可能性をつくろうということでありますので、だれもかれもがみんな別姓にしようかどうか考えなきゃならないというものではございませんので、そこら辺の誤解がもしまだあるとすれば、そういうことはないのだということをよく理解していただきたいと思います。
 議員の先生方は皆さんそれはわかっていらっしゃると思いますが、そのようなことで世間全体にもよくわかっていただいて、そんなにむやみに乱暴なことをするという考えではない、あくまでも、必要な方が、どうしても希望するという方が選択できる余地をふやそうではないかということでありますので、その辺は社会全体の皆様にもよく御理解をいただかなければならない。
 私どもも、できる限り機会をとらえまして一生懸命説明に努力をいたしておりますが、どうぞ先生もよろしくお願いいたします。

○青山(二)委員 別姓にいたしますと親子のきずなが弱くなるとか切れるとか、あるいは別姓にすると夫婦の崩壊につながる、家庭の崩壊につながるというのですけれども、同姓だって親子のきずなが切れている場合も、同姓の場合でも夫婦のきずなが切れる、崩壊している家庭はいっぱいあるわけでございますから、やはりこれは、どちらにしても本当に選びたい方に選ばせてあげるということが一番大切ではないかと思っております。
 別姓制度の導入を後押しするのは、やはり世論の高まりであると思います。男女共同参画の流れでございまして、政府の男女共同参画会議の基本問題専門調査会は、民法改正の支援を決めております。さらに、多くの職場におきましても通称として旧姓の使用が広がっておりまして、政府も昨年十月から全府省庁で希望者が旧姓を使えるようになっております。
 このように、多様な選択肢を認めるのは本当に時代の要請であると思っております。別姓の選択はまだまだ少数派であるために大きな不都合をこうむっている人や、やむを得ず事実婚を選択している人たちには、一日も早く道を広げてあげていただきたい、このように思うわけでございます。
 小泉政権の掲げる構造改革は、社会経済環境の変化に立ちおくれた制度を実態に即したものに改革することを旨としているわけでございます。この夫婦別姓制度の導入こそ、まさにこの典型であるわけでございます。そこで、小泉構造改革を着実に進める上でも、今国会に民法改正案を提出いたしまして、選択的夫婦別姓制度の実現に政府を挙げて取り組むべきであると思っておりますので、森山法務大臣には、かたい決意をここでもう一度お聞かせいただきたいと思います。

○森山国務大臣 先生も御指摘なさいましたように、昨年の八月に公表された世論調査を初めといたしまして、昨年十月、男女共同参画会議基本問題専門調査会におきまして、選択的夫婦別姓制度を導入する民法改正が進められることを心から期待するというような趣旨のまとめもいただきました。
 これは、全省庁が参加しております男女共同参画会議の専門調査会でございますので、その中の一員としての法務省、法務大臣も、当然その趣旨に沿って努力していくべきだというふうに考えておりますし、先ほど来お話しのようないろいろな世の中の動き、女性の皆さん方の御希望などを考えますと、できるだけ早く、少しでも多くの方に賛成していただける案がまとめられまして、それを提出できるようにしたいものだというふうに思っております。どうぞよろしくお願いします。

○青山(二)委員 森山法務大臣の強い御決意をお伺いいたしまして、法務大臣への質問はこれで終わらせていただきますので、どうぞ御退席いただいて結構でございます。

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