2色のガーベラ 夫婦別姓資料館

民法改正の大本流とも言える法制審答申の要綱では、現行民法の変更すべき12項目を挙げています。それらをあらためてまとめます。権威ある法制審答申の提案なのだから通常ならこのまま通るのですが、あまりに抵抗が強いため、各推進派はこの要綱の中から優先度の高いものを小出しにしたり、反対派に譲歩してより厳しい制限をつけたりしています。ですが、基本はこの答申です。

第一 婚姻の成立

一 婚姻年齢
婚姻適齢を満18歳へ。現行では男性は変わりませんが、女性は満16歳なので、引き上げになります。
二 再婚禁止期間
女性が離婚してから次に相手を変えて再婚するまで、再婚してはならない期間を100日へ。現行では180日。これは子供が誰の子か分からなくならないようにするのが当初の目的だそうですが、DNA鑑定ができる昨今にいまだ必要なのか疑問は残りますが。

第二 婚姻の取消し

第一で定めた再婚禁止期間の婚姻を取り消す場合について(難解…)。

第三 夫婦の氏

婚姻したら夫婦は夫または妻の氏を名乗るか、またはそれぞれが婚姻前の氏を名乗る(=夫婦別氏)ようにします。もし夫婦別姓にする時は子供の名前も婚姻時に選びます。ここがまさに夫婦別姓を法制化する部分です。

第四 子の氏

一 嫡出である子の氏
嫡出(法的な夫婦の子)の子の氏は第三で定めたように、同姓夫婦なら父母の氏、別姓夫婦なら婚姻時に定められた子が称する氏にします。

二 養子の氏
養子は養親の氏を称します。ただし、別姓夫婦の片方が相方の子を養子にする場合、第三で定められた別姓夫婦の子の氏を称します。その養子が婚姻をすればもうこういう規定は関係なくなります。

三 子の氏の変更
子が父または母と氏が異なるなら、家庭裁判所の許可を得れば父または母と同じ氏にすることができます。別姓夫婦が婚姻中で未成年の子に適用するなら特別な事情がなくてはなりません。ただし、父または母が氏を変更して子と氏が異なってしまった場合、父母が婚姻中なら届け出で親の氏(同姓夫婦の氏または別姓夫婦のいずれかの氏)に変更できます。また子連れ再婚で夫婦別姓となった場合でも、父母が婚姻中なら届け出で親の氏に変更可です。要するに、別姓夫婦の子はデフォルトでは夫婦が婚姻時に定める子の氏を称することになるのですが、家庭裁判所が許可する特別な事情があれば子の氏をもう片方の親の氏に変えてもいいということです。「ただし」の先は、親の片方が改姓した場合や子連れ再婚なら届け出でいいですということです。それから、子供が15歳未満なら法定代理人(親など)がこうした行為ができます。こうした手続きにより氏を変更した子が成人したら、成人してから1年以内に届け出れば氏を元に戻すことができます。

第五 夫婦間の契約取消権

民法754条は削除します。

民法第754条
夫婦間で契約をしたときは、その契約は、婚姻中、何時でも、夫婦の一方からこれを取り消すことができる。但し、第三者の権利を害することができない。


第六 協議上の離婚

一 子の監護に必要な事項の定め
二 離婚後の財産分与

話し合いで離婚する場合です。夫婦別姓とは直接関係ないので割愛します。

第七 裁判上の離婚

裁判で離婚する場合です。夫婦別姓とは直接関係ないので割愛します。

第八 失踪宣告による婚姻の解消

夫婦の片方が失踪し、残された側が再婚する場合の規定です。夫婦別姓とは直接関係ないので割愛します。

第九 失踪宣告の取消しと親権

夫婦の片方が失踪し、残された側が再婚したのだが、失踪が取り消し(見つかったということですね)になった場合の規定です。夫婦別姓とは直接関係ないので割愛します。

第十 相続の効力

非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分と同等とします。ここがいわゆる非嫡出子差別撤廃の部分です。

第十一 戸籍法の改正

この民法改正に伴い、戸籍法にも辻褄が合うように変更を加えます。民法の方が上位法なので、民法が変わればそれに見合うように戸籍法も変えますということです。

第十二 経過措置

一 婚姻適齢に関する経過措置
改正法の施行時に満16歳に達した女性は、婚姻年齢引き上げの規定にかかわらず婚姻ができます。

二 夫婦の氏に関する経過措置
改正法の施行前に婚姻して改姓した夫または妻は、配偶者との合意があれば、改正法施行後1年以内に届け出ることにより、婚姻前の氏に戻すことができます。つまり、既婚夫婦でも配偶者の同意があれば夫婦別姓にできるということです。また、経過措置により別姓となった夫婦の「別姓夫婦が婚姻時に定める子が称すべき氏」は、婚姻時に選んだ氏とみなします。

三 相続の効力に関する経過措置
改正法の施行前に開始した相続は改正前の民法を適用します。

この他にも必要な経過措置を設けると定められています。

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