2色のガーベラ 夫婦別姓資料館

夫婦別姓問題を考えるなら、「戸籍の表示」と「筆頭者」はぜひ正確に認識してもらいたいと強く思います。「戸籍の表示」とは戸籍簿全体における戸籍の並び順に関係します。

「戸籍の表示」を現代風の表現にするなら「戸籍のタイトル(表題)」が適しているかもしれません。それぞれの戸籍を識別し、並び順を決めるために使います。ですから、機能は文書の識別記号と考えていいでしょう。

具体的に「戸籍の表示」とは「本籍+筆頭者」です。

例えば特定の新聞記事を指し示したい時は「○○新聞○月○日付け朝刊『○○○○○○○○』」といえば記事が特定できるように、特定の戸籍を指し示すには「本籍○○○○○○○○、筆頭者○○○○」とすれば目的の戸籍に到達できます。住民票や運転免許証に本籍や筆頭者が書いてあるのは、該当者の身元を証明する文書(戸籍)を指し示す目的があるのだと思います。

目的の戸籍を特定するための情報が「戸籍の表示」です。

実際の戸籍では縦書きでも横書きでも、まず最初に表示されているのが「本籍+筆頭者」であるはずです。そしてその部分を実務担当者は「戸籍の表示」と呼ぶそうです。

戸籍の表示を構成する本籍からは、戸籍を管理する市区町村が決まります。その市区町村管轄の戸籍簿では戸籍の表示で戸籍が並べられます。もし同じ本籍をもつ戸籍が複数あれば、次は筆頭者の50音順で並び順が決まります。実際に、婚姻時に夫の両親と同じ本籍を指定する夫婦が多いため、本籍だけでは固有の識別記号として扱うのは困難のようです。戸籍簿の並びをイメージするならこんな感じでしょうか。

 <−−−−戸  籍  の  表  示−−−−>
 <−−−−本  籍−−−−−−−> <筆頭者>
 東京都杉並区清水町1丁目281番地 山田伸夫
 東京都杉並区清水町1丁目283番地 甲野太郎
 東京都杉並区清水町1丁目283番地 甲野道隆
 東京都杉並区清水町1丁目284番地 佐藤晃
 :


もし筆頭者が死亡しても筆頭者欄はそのままです。筆頭者が死亡したら妻が筆頭者に繰り上がる、なんてこともありません。なぜかというと、筆頭者は「戸籍の表示」の構成要素であり、並び順を決めるための文字列のようなものだからです。

ですから、本籍は夫の両親と同じにする必要もなく、現住所と同じにする必要もありません。実務的には、本籍は戸籍謄本(抄本)を取りに行くのに便利な市区町村を考慮した上で指定したほうが有益でしょう。

余談ですが、戸籍簿をデータベースにたとえると、1つの戸籍が1レコードになり、戸籍の表示が主キーと考えてもいいのではないでしょうか。またはソート順が、最初に本籍フィールドで、次に筆頭者フィールドとか。コンピュータのない時代に編み出された文書管理術なのかなと思います。

参考
愛知県豊川市のHPにある暮らしの便利帳で「戸籍の表示と本籍」の項目にはこう書かれています。「戸籍は、筆頭者の氏名と本籍で表示されます。筆頭者が戸籍から除かれても変わりありません。また、本籍とは、戸籍のあるところを地番で表したもので、住民票の住所と一致させる必要はありません。戸籍の謄・抄本など、戸籍に関する証明は、本籍のある市区町村役場で発行されます。 」

前の項目へ次の項目へ画面先頭へ ↑↑戸籍メニューへ ↑↑↑トップページへ