2色のガーベラ 夫婦別姓資料館

夫婦別姓問題を考えるなら、「戸籍の表示」と「筆頭者」はぜひ正確に認識してもらいたいと強く思います。「筆頭者」は戸籍における夫婦の並び順に関係します。

筆頭者は、婚姻届書の記載により決まります。婚姻届には「筆頭者」欄はありませんが「婚姻後の夫婦の氏」の欄で決まります。それで記載された方の氏名が筆頭者になります。多くの場合ですと、婚姻すると夫婦の新しい戸籍がつくられます。もし筆頭者がすでに筆頭者で本籍地が変わらないのであれば、筆頭者の戸籍に筆頭者ではない方の配偶者が入籍するだけとなり、新しい戸籍がつくられることはありません。

筆頭者が決まると、次に戸籍における夫婦の記載順が決まります。夫婦は法的には同等の立場ですし、戸籍の記載順でなんら優劣に差がでることもありませんが、どちらを先に記載するか指針がなくてはなりません。

そこで戸籍では筆頭者に選んだ方が先に記載され、次にそうではない方の配偶者が記載されます。次に出生順で子どもが並ぶことになっています。くどいですが戸籍という書類上における記載順であり、その順番と家族内の優劣は関係ありません。

よく「筆頭者のみ氏名が書かれていて、他は名しか記載されていない」と誤解されている方もいます。つまり「甲野太郎、花子、宏美」のように。しかし実際には、全員が「名」しか記載されておらず「太郎、花子、宏美」となります。筆頭者欄に「甲野太郎」とあってもそれは戸籍の表示の一部であり、実際に甲野太郎さんの情報は「太郎」欄に記載されています。

縦書きの紙戸籍の表示レイアウト風に記載事項を並べると、こんな感じになります。最初に本籍と筆頭者で戸籍の表示がきて、以降に各人の欄が続きます。

(本籍)
東京都杉並区清水町1丁目283番地
(筆頭者)
甲野太郎
(出生や婚姻など身分事項)太郎 (夫)
(ほかに生年月日、両親など)
(出生や婚姻など身分事項)花子 (妻)
(ほかに生年月日、両親など)
(出生や婚姻など身分事項)宏美 (長女)
(ほかに生年月日、両親など)

筆頭者とはもともとは誰かの名前からコピーしたものですが、書類の並び順を決めるための文字列のようなものです。「筆頭」の意味から考えても「名前を書き連ねたうちの一番最初」ですから。筆頭者を戦前の家父長制の戸主と混同する方もいますが、それは誤解ではないでしょうか。

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